日本で行われているクラニオワークには、大きく分けて2種類あります。
クラニオセイクラルセラピー(クラニオセイクラルバイオメカニクス)と、
クラニオセイクラル バイオダイナミクス
どちらも「クラニオ 」と表現されることが多いのですが、この2つには大きな違いがあり、その違いについて書きます。
【クラニオセイクラルセラピー(バイオメカニクス)】
バイオメカニクスは頭蓋仙骨療法と言います。
ソフトなタッチで、頭蓋骨や組織に優しくアプローチします。脳脊髄液の流れるリズムを利用して、身体の調整をしていく施術です。
プラクティショナー(施術者)の意図を持って構造をソフトに調整します。(歪みを調整するだとか、正しい位置へ誘導するような働きかけがあります)
「問題を見つけ解決する」という「問題解決型の思考」で施術をしていきます。
バイオダイナミクス と分けるために、バイオメカニクスとも言われるようになりました。
クラニオセイクラルを子供にセッションすると、人生のサポートとして役立つことから、保護者が子供にできるように、または家族のケアができるようにと簡略化し、世に広まりました。
これはDr.アプレジャーの貢献により、簡単なステップにまとめられ、アバウトでも積み重ねが大事というスタンスではじまりました。
【クラニオセイクラル バイオダイナミクス】
バイオダイナミクスは、メカニクスよりもさらにソフトなタッチで繊細に体に触れます。身体の構造を超えた「存在の健全さ」に働きかけるアプローチです。
「健全さ」とは、誰もが共通して持っている人本来の資質、自己治癒力、潜在力です。
バイオダイナミクスは人本来の健全なシステム(潜在力)の表現に従います。
プラクティショナーは生命力の現れである第一次呼吸(受精卵の頃からあるリズム)の表現を聞き、その声をガイドとしてセッションが進みます。
意図的に動かすのではなく、第一次呼吸の意図に従います。
第一次呼吸の駆動力は構造を動かし、自己調整は自然に行われていきます。
身体を超えたもっと大きな存在全体を含むアプローチです。
クライアントは、静かなセッションのなかに、ダイナミックで大きな存在として自分自身にもどる感覚。「本来のわたし」というシンプルな感覚にもどるセッションです。
意図を持って動かすセッションではないため、ケガなどで動かしてはダメなときにも可能ですし、代謝機能やホメオスタシスにたいしてのアプローチも得意と言えます。
このセッションは、クラニオセイクラルの創始者であるDr.サザーランド晩年の10年の探究を基に発展しています。
メカニクスは、
調整や問題を見つけて解決するという「問題解決の思考」で施術。
プラクティショナーが意図を持って構造を調整するため、ダイナミクスよりも機械的でボディーワーク寄りと言えます。
いっぽうバイオダイナミクスは、
悪いところを見つける、治すといったような問題解決思考ではなく、クライアントの潜在的な表現、治癒力と協力する「ヘルス思考」です。
いま何が必要かというようなことは、プラクティショナーではなくクライアントの潜在的な治癒力にあり、そこに働きかけます。セッションした結果、今のあなたに必要な変容が起こると言われています。
僕が行っている施術は、バイオダイナミクスです。
プラクティショナーになるため、バイオダイナミクスのセッションをたくさん受けました。プラクティショナーになり、多くのセッションをさせていただいてますが、生命は神秘的で素晴らしいと毎回感動します。
人本来に備わっている治癒力、本当の「健康」はいつでも存在しています。