足に触れているのに頭が動く?クラニオセイクラルと頭蓋の動き

「なぜ足に触れているのに頭が動くんですか?」
「顔がギューっとなりました」
「頭の上が開いたように感じました」

クラニオセイクラル バイオダイナミクスのセッション後、いろいろなご感想をいただきます。

 

「クラニオ」は「頭蓋」という意味です。

 

今回は『足に触れているのに頭蓋が動くのは、どんな力が働いているのか?』について書いてみました。

 

頭蓋は内側から動く構造になっている

先日、ヨガの知識の宝庫、伊藤武先生からおもしろいお話を聞きました。

 

昔インドでは、
「頭蓋骨の中に大豆を入れて煮て、大豆が膨らむ力を利用して、頭蓋の縫合を外していた」

「頭蓋骨は外側から力を加えてもまったく外すことはできないけど、内側からの力には容易にその構造をほどく」

 

なぜインドでそんなことをしていたのかは聞きそびれましたが、構造に対してとてもおもしろい方法でアプローチしていますよね。

すごいなーと思うのは、人体にそなわっている自然な構造と仕組みです。

 

 

頭蓋骨はなぜ内側から広がるの?

なぜ頭蓋骨は、外からの力に対しては硬く、内側からは開くようになっているのか?

それは簡単にわかります。

 

頭蓋骨は、

● 外側の力からしっかりと中を護る
頭の内側の繊細な組織を守るため。


● 内側でおこる呼吸のような動きには追随する
頭蓋の中にある脳や中枢神経が健やかに保たれるように、ほんのわずかに、ふくらんだり戻ったりを繰り返している。

 

『護る』と『健やかさを保つ』を両方できるようになっているんですね。

私たちの構造は、本当に理にかなっています。

 

 

クラニオセイクラル バイオダイナミクスのあり方

クラニオセイクラル バイオダイナミクスは、ほぼ触れているだけのタッチで、とても静かな施術です。

圧を加えたり、調整するという、施術する側の意図を多くは持ち込みません。

 

でも、それが良くもあります。

人のシステムは、「何かされる」と感じると、『護る』ために緊張してしまいます。なので、外側から力は加えません。

ただ触れて一緒に落ち着く、『安心』『安全』『静かな感覚』につながります。

 

緊張がゆるみ深いリラックスにシフトしていくと、普段外側に向けているエネルギーが、自分自身の回復や成長のために働きはじめます。

護る必要がなくなるからです。

すると、リラックスと共におこる原初呼吸が活力を持って駆動し、頭蓋や構造を内側から動かす力になる。足に触れていても頭が動くんですね。

頭に触れて緊張するようなら、足や他の部分に触れてリラックスできることを優先することが多いです。